FC2ブログ

記事一覧

ホフマン/フロイト「砂男/不気味なもの」・・・・America





夜中眠れず、ブロ友さんのところを訪ねたら、ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」の書き込みにぶつかった。

懐かしいと言うのか・・・

この戦前の映画を観るために、学生のボクは、1,2年も待ちぼうけを食らわされて、やっと今は亡き、京橋のフィルムセンターで見たのだった。

70年代前半のことなので全部は覚えていない。

が、冒頭の剃刀で目を切り裂くシーンだけは、そのあまりの強烈さに、今でも印象がよみがえる。

今はUに投稿されているのでいつでも好きなときに見れる。

全く羨ましいと言うか、便利な世の中になったものだ。

といって、見れると言うことを確認しただけで、見てない。

トラウマになったので見たくないのだ。






この映画を思い出したら、E・T・A・ホフマンの「砂男」を思い出したので書庫から文庫本を引っ張り出してきて再読した。

機械仕掛けの自動人形を現実の女性だと思い込んで破滅する男の物語だ。

有名な作品なので、内容は省くが、話の都合上、主人公の幼児体験だけは言及せざるを得ない。

と言うのも、フロイトの「不気味なもの」を語りたいからだ。


幼児期、主人公は就寝の時間が来ると、母親に「いつまでも起きてると砂男が来ますよ」と言われる。

無学で迷信深い乳母に尋ねると、「砂男はいつまでも起きてる悪い子の目玉をくりぬいて、自分の子供たちに与えるのだよ~」と答える。

父親は錬金術に凝っていて、夜な夜なコッペリウスという錬金術師が訪ねてくる足音を主人公は聞く。

主人公にはその足音が砂男に思えて恐怖する。



フロイトの「不気味なもの」は、「砂男」を分析した論文ではないが、この作品も俎上に載せて分析する。

恐怖を呼び起こす「不気味」の感情はどこから由来するのかが、この論文のテーマだ。

「砂男」に限って言えば、まずコッペリウス(フロイトはコッポ(Coppo)が眼窩を示す言葉であることを指摘している)から始まって、去勢コンプレクスがその恐怖の根底にあると断ずるのだが、面白いけれど、ボクにはどうにも納得しかねるのだ。

幼児体験と性的コンプレックスはフロイトの2大キーワードだが、ボクにはこの解釈は強引過ぎるような気がするのだ。
(「砂男」の解釈に限ってだけのことで、論文そのものにああだこうだと言ってるわけではないので、そのつもりで)


作中には「眼」を表徴するイマージュが満ち溢れているので、「眼」の持つ力(心理的・神話的な)分析にもっと力を注いで欲しかったと不満に思うのだ。

大学生になった主人公の元へ、コッペリウスの相似形コッポラが現れて、「おめめはいらないかね~きれいなおめめ」と無数の眼鏡を取り出して並べる。

主人公は恐怖を感じるけれども、彼をおっ払いたいばかりに望遠鏡を購入する。

この望遠鏡で眺めたとき、隣家の自動人形は血肉を与えられた生きた人間の美女に変身するのだ。

いったん回復したかに見えた主人公の狂気が再発するのも、また望遠鏡を覗いたときだ。




フロイトの開発した精神分析治療で、多くの精神疾患者が治癒しているのは知っているが、昔、みすず書房から出ていた、ボス「性的倒錯」(本が見つからなかったので記憶で書くが)では、多くの治療例を紹介した後、自分の性器を見知らぬ女性にさらすことでしか性的興奮を得られない「露出狂」には全く治療効果がないと書いていた。




昔なら別々にしか読めなかった作品を1冊の文庫に収めた、この河出文庫はとても有難い。

おまけに翻訳者が、渋沢龍彦先生とともに、ボクたちを異端世界にいざなってくれた種村季弘先生というのも有難い。

95年初版。
















今年は花が早い。

やっと6月が始まったばかりだというのに、8月のイメージの夾竹桃がが咲いていた。












同じく7,8月のイメージの合歓(ねむ)の花。









いやいや、秋に咲くはずの萩まで咲いていたのだ。











今年は梅の実が良くなった。

1キロの収穫だ。

手に届かないところにある実が、もう笊(ざる)一個分残っている。










入梅したと言うのに、午前中快晴。

海へ行ったら、靄が濃くて、逗子方面がはっきり見えなかった。






















「砂男」の話をしたので、今日の音楽はアメリカの「サンドマン」です。

サポートが加わっているので、レコードとは印象が違うが、これはこれで楽しんでくれ。

スポンサーサイト



コメント

No title

検索で難儀なバンドナンバーワンですね。ヴァンチュラハイウェイなんかは聴いたことあります。

No title

nadiaさん、今聴いてるけど、彼らは1枚目はヘビロテで聞いたけど、2枚目以降は聴いてないので、この曲もはじめて聴くかもです。

No title

おはよーございます!

あー!僕も良く、女性から変態!とかスケベ!と言われますね(笑)

露出はしませんよ!念のため(* ̄∇ ̄*)

アメリカ、好きなんですよーー!
初期も現在も、ちなみに現在も新譜出してますからねーー!

No title

umeさん、自覚があるんだ~(爆)
本によると(記憶だけど)、真正の露出狂は、女性に触ることができないそうです。怖くて。

アメリカ、ええ~! 現在も新婦(間違い、新譜・・笑)を出しているんですか~!
すごいですねえ~!!

ナイス有難うございます~

No title

こんにちは。

私の周りにいる女性たちは、露出狂が現れると、「キャー」とは言わず?!ただただだまってジーっと顔と身体を見ながらスマホで警察に電話します(苦笑)


この段階で、露出している人が逃げます。


そのせいか?警察の似顔絵を描く人に細かく特徴が言えてすぐに捕まります。
(;^_^A

No title

addisonさん、おお~現代女性は強い~!
露出狂、受難の時代ですね(笑)
真正の露出狂は女性恐怖症で触ることも出来ないそうだけど、そうでない露出狂もいるので、ご用心くださいね。

ナイス有難うございます~

No title

フロイトの「不気味なもの」…('∀`)
エディプスコンプレックスとか去勢コンプレクスのトコで砂男にふれてるんだ;
何に恐怖を感じるかはそれぞれだけど、私は痛そうなものとか
ホラー全般がダメだわ;
Sandmanって曲名が凄いわね(笑)いい曲だと思うけど;
花もいいけど実のつくものを収穫できるのも楽しいわね~♪
梅酒、飲みたい♪♪

No title

トラウマになる程の強烈な映画なんですね~フロイトは最近流行ってるのかは知りませんが復刻本が何冊も出てるみたいですね^^
ウメもめっちゃ美味しそうです^^
ナイス!

No title

ゴールドさん、冒頭のシーンでトラウマになります。
肉体損傷は、ボクには絶対の恐怖なんです。
フロイトに解釈させれば、それこそ去勢コンプレックス、と言われかねないけど(苦笑)

フロイトがまた流行ってるんですか??

梅の実は梅酒にしました。
梅干を作るのはめんどくさいので止め。

落ちて、割れた梅は梅ジュースにします。

ナイス有難うございます^

No title

こんばんは!

不気味なもの...(゜m゜;)

それと『アンダルシア犬』に関しては、一応、最初から
最後まで見たんですけど、その内容からしても、やはり
コメントに書かなければよかったな~と思っています。

その点に関しましては、申し訳ありませんでした。m(__)m

まあ冒頭シーン以外はブラックでシュールな作品ですが、
当時、映画を見るまで一、二年もかかったんですね(驚)

あと眼やトラウマからこの書籍やお話の流れは流石です(^ω^)
もちろん読んだことはないですが(汗)面白そうです♪

以前に澁澤さんの本で『露出狂は道徳的マゾヒスト』と
説明されていたのを思い出しました(笑)あらゆる性は
密接に関係していますけど、そういう面も必ずしも否定
できない事柄かもですね。機会があれば読んでみます♪

梅の実が豊作だったんですね。お花の写真もそうですが
海のお写真は久しぶりに拝見した印象なので嬉しいです♪

America!

未聴なバンドでしたけど(汗)渋くてクールな印象です。(・∀・)ゞ

No title

おはようございます(^_^)


高校卒業後、最初に就職した町工場で
働いていたおじさんが
若い頃に『アメリカ』を聴いていたと
言ったので、唯一知っている曲
『名前のない馬』のですか?と言ったら
"そうそう‼ 懐かしいなぁ"と喜んで
いました。

あまり出番はないんですがw

レコードは一枚持ってます。
(^o^;

No title

ぶーさん、いやいや、そんなことはないので気にしないでください(汗)

渋澤さんはそんなことをおっしゃってましたか~!
ま、面白い内容です。
機会があれば是非お読みください。

海は、そろそろ海の家の建設工事が始まってます。
今年もまたそんな季節になったんだなあ~と感懐ひとしおでした。

未聴でしたか~!
ボクもこの曲が収録されている最初のアルバムしか聴いたことがないんだけど。
バンドはいったん解散したと思い込んでいたけど、今調べたら、ず~っと存続していたことになってました。

ナイス有難うございます~

No title

ケアベアこぞうさん、そのおじさんはボクと同世代くらいかも。
当時「名前の無い馬」は、誰でも知ってるくらいに流行りました。
ボクもそのアルバム1枚しか持ってないです。
何十年も聴いてないので、今日はこれから聞いてみるかな(笑)

ナイス有難うございます~

No title

sandmanは、眠りの妖精ですが、Americaの唄「誰もいないハリケーンの目(台風の目)の中を鷲のように飛ぶ」とあるので、ここでのSandmanとは戦闘機(実在する)かな?と思ったが…

どうもこれは戦士を襲う「睡魔」のことのようですね。
https://wamyland.com/sandman/

ホフマンの「砂男」では、人工美女テーマが興味深いのですが、フロイトはそれを軽視しているような…まあ、フロイト自身の興味がそこになかったからか…

ところで、ヘス「変態性欲」とはメタルト・ボス「性的倒錯」のことでは?

No title

weirdさん、おお~そうです。
著者名も書名も間違って覚えていた。
有難うございます。

フロイトには自動人形愛も、ボクが関心を持つ「眼の呪力」にも関心が無かったんでしょうね。

「戦士を襲う睡魔」ですか~
なるほど。
ただこの記事では「砂男」のままで行きたいところです。

ところで sandman と言う語はお伽噺に由来するそうだけど、ドイツ語の原題でも Der Sandmann。
英語圏のお伽噺なのか、ドイツ語圏のお伽噺なのかご存知ですか??

No title

もともと北欧、中欧に残る伝説ですが、ギリシャ神話の夢の神Morpheusの変形ではないか、という説もあります。

英語圏でも「眠りの妖精」のヴァリエーションは定着しているようです。

Japanese Sandmanという曲も多数あるが、Doo Wopのコンプに入っていたのが、

The Cellos - Rang Tang Ding Dong (I Am The Japanese Sandman) 78 rpm!
https://www.youtube.com/watch?v=kgOssDT0fAQ

Morpheus/Sandmanでは、ニールゲイマンのコミックスが有名↓
https://comicvine.gamespot.com/forums/battles-7/sandman-morpheus-vs-franklin-richards-adult-avatar-1543461/

No title

> sho*ha*ng*5さん

安部公房の作品「砂の女」読みましたが
「砂男」は知りませんでした。🙇

紹介ありがとうございます。

No title

まりっぺさん、「砂の女」は映画も面白かったですよ~
機会があったらぜひご覧ください。

ナイス有難うございます~

No title

> sho*ha*ng*5さん、こんばんは
興味深く読ませてもらいました
話は変わるのですがいい所に住んでいらっしゃいますね
海の近くはあこがれです

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

showhanng55

Author:showhanng55
マイナーな60年代ビートミュージックと駄洒落、読書レビュー。

月別アーカイブ

全記事表示リンク

フリーエリア