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ミシェル・レリス「オーロラ」・・・The Bittersweets

日曜から寒い日が続いているが、先週の半ば、立春の頃は時ならぬ陽気だった。

早咲きの桜、「河津桜」がびっくりして満開になったらしいのだ。

江の島展望台そばの公園に行けば満開の河津桜が見られると思うが、風邪の調子がひと息なので、出かける気にならない。

いやいや、河津桜の本場、伊豆の河津川沿いに出かければ8000本の桜が満開で出迎えてくれるに違いないのだけど・・。


仕方がないので、ご近所の河津桜を撮らせてもらった。



























本好きというのは、造本が洒落ていると、内容なんかどうでもいいので欲しくなる。

ミシェル・レリスはボクが高校~大学の頃一部で流行ったが、もう誰も読まないはずだ。

思潮社が70年に刊行した「オーロラ」は、造本が気に入ったので当時買った。

A5変型判。

ボール紙製の函もお洒落なら、本文のバックに錬金術でお馴染みの図像が何種類かアミをかけてあしらわれ、文字が載っている。

2色刷りということになる。

図像は見開きで1枚になっているので、編集の手間がかかる。

おまけに表見返しと裏見返しにはそれぞれ別の図像(1色刷り)。

口絵が6ページ(1色刷り)。

これで1200円の定価は安い。

部数だってせいぜい2~3000部ってところだろうに・・。
























ネットに、「最後まで読んだ人がいるのを知らない本」というスレッドが立っていて、プルーストやジョイスと並んでこの本が挙がっていたので大笑いした。

実を言うとボクも読んでいない(笑)

読めないのだ。

ひとつの言葉があるイメージを呼び覚まして次の言葉が生まれ、そうやって次々に生まれる言葉の連なりからなっている文章なので、ついて行くのが難しく途中で放り投げている。

フランス語の分かる読者なら、原語で読むので原語から立ち昇るイメージについて行けるんだろうけど、翻訳で読むとなると、そうかはいかない。

それでも訳者の宮原庸太郎氏の訳注を手掛かりに第1章だけはなんとか読み終えたが、そこで行き止ままったままだ。

その第1章は20数年閉じこもった屋根裏部屋から、深夜12時になって主人公が1Fの控えの間に降りて来る話だが、階段を下りる話が延々20ページにわたって展開される。

いま、階段を下りる話と言ったが、実際はイメージの充満した文章で、息切れしない読者のほうがおかしい。

宮原氏の解説によれば、現実上の階段ではなく、口から肛門までの体内めぐりなんだそうだ。

やっと降り立ったとき「オーロラ」という女性の名前を耳にする。



帯の広告文に「錬金術の難解なシステムと奇怪な倒錯のコスモロジー」とあるのだけど、読めないので何がどう「錬金術」とつながっているのかさっぱり分かりません。














読めない本を紹介したので、分かりやすい音楽を聴きましょう。

Bittersweets で In the Night。

アリゾナ州スコッツデール(フェニックスの一部扱いされているようなので、フェニックスのバンドとの記述も多い)のバンドだが、66年に地元でバーズスタイルのレコードを出したのち67年にロスに出かけ、ロスで作ったのが今日の1曲。

チャーミングなとてもいい曲だ。

バンドはこの後 Twentieth Century Zoo と名を変えてサイケバンドになり、3枚のシングルと1枚のアルバムを残したのでそこそこ成功したらしい。






追記:

バーズスタイルの Bittersweets 1枚目とサイケ時代の Twentieth Century Zoo と改名後の最初の曲、2曲が続けて聴ける投稿を見つけたので、興味ある方はお楽しみください。

バンドのバイオもボクが見た中では投稿者の記述がイチバン詳しいです。

もう一枚未発のアルバムがあるそうだけど、ボクは聴いてません。

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コメント

No title

素敵な本だ!

shoさんの解説読んだら、面白そうじゃないですか!?

内容はとても、面白そうなんてすけどね、、階段を下りるシーンが20P続くなんて、それが体内のメタファーだなんて、面白そう!

装丁もオサレーー!

所で雪、降りました?

今日、関内にいたんですけど、降ってきましたよ!(笑)

No title

umeさん、解説によると、新しい日の再来、復活への希望を抱いて太陽を道連れにさまよってるんだそうです。

ある意味、翻訳不可能な文章なので、もっと膨大な訳注を付してくれないと、なかなか分かりません。
装丁はめちゃめちゃオサレ~なんだけどね。
だから飾ってるだけの本になりました(笑)

3時頃かな?? ちらちら~と降ったけどすぐみぞれになりました。

関内にいたんですか~いいなあ~お昼は中華街??

ナイス有難うございます~

No title

この曲聞きやすいというか耳あたりいいですね
タイトルも覚えやすい もう覚えました 歌えます(うそです)

桜ですか まだ2月なのに羨ましいです
写真の桜が綺麗(〃ω〃)

No title

寒い~寒い寒い、大阪のおばちゃんのエネルギーをもってしてもこの寒さは~、2月生まれなんですけどね。
あ、元々は大阪じゃあなかった、どおりで寒いはずだ~。
河津桜の写真、もう春近しですね。

この装丁と何枚かページをめくったら、買わずにいられない本ですね。自分のものとして持っているだけでうれしい本ってありますね。

No title

アリゾナのBittersweets、確かにOriginal soundでシングルだしているから、LA移住と言われていますが、そうではないといっている人もいます。

20Th Century zooが後身バンドですが、やはりアリゾナで活動してたようなので、そうかもしれません。

Cuzレーベル(アリゾナ)のシングル↓
Twentieth Century Zoo - You Don't Remember
youtube.com/watch?v=Dl13EMsV2X8

Vaultと契約し、LAでアルバムを録音したが、 Paul "Skip" Laddのインタヴューを読むと、アルバムやツアーでLAに行ったみたいです。

No title

weirdさん、やっぱり挑戦しましたか~!
ほんとについて行けないですよね。
「成熟の年齢」とか「闘牛鑑」とは普通の文章なので、それなりに分かって面白いです。
「幻のアフリカ」はボクは読んでないんだけど、たしかにその方面に関心のある人なら読んでるかもしれません。
しかし、シュールを経たあとの文学青年時代のサンボリスト風ものはもう誰も関心を持たないかもです。

レナード・コーエンの「嘆きの壁」、大昔に教えてもらったけど、この本も難解なんですか~!

No title

weirdさん、えっ、そのまんま移住したということじゃないんですか。
両方行ったり来たりしてたってのが正解なんですね。
メンバー本人が証言しているなら間違いないでしょうね。
シングルもアリゾナとなってますね。
またひとつ、思い込みを正してもらいました~!
有難うございます~

No title

おぉ~('∀`) もう桜が咲いてるだなんて~!
かなり暖かいのね♪あぁ~~暖かい場所に行きたい;
なんと難解そうな本!でも見たら手にしたくなるデザインね♪
飾っておくだけで満足しそう(笑)
In the Night、ブリブリ感とこの程よい哀愁と青さ♪ステキ♪
Twentieth Century ZooはYou Don't Rememberが好きな曲だったけど
Bittersweets時代の頃のほうが好みだわ♪♪

No title

joeyrさん、この間の陽気で早咲の桜が一気に開花したみたいです。
今日はそうでもないけど、昨日まで、日曜日からず~っと凍えて暮らしてたんですよ

こういう本は飾っておくだけです。
飾って手に取って楽しむ、これも愛書家の楽しみのひとつなんですよ(笑)

20世紀もいいんだけど、前身バンドのほうがボクの好みにぴったりなんです。
とくにガレージに転向してからの取り上げた曲。
たまらんですよね~(笑)

ナイス有難うございます~

No title

> sho*ha*ng*5さん
「最後まで読んだ人が
いるのを知らない本」
それだけ、難解な本なんでしょうね。
作者は、それを意図としている?
(わかりませんが....)
洋書の日本語版
あまり読んでいません
サンーテグジュベリの
「星の王子さま」ぐらいかも?
ズレコメで<m(__)m>

No title

まりっぺさん、難解です。理由は記した通りのことで。
多分フランス語の得意な人が原書で読んだらパッと理解できるのかもしれません。
翻訳の限界ですね。

日本語の文章でも、日本人が読んだらすぐ分かるのに、翻訳されると難解だと思われる文章がたくさんあると思いますよ。
いつかそのへんを記事にしましょう~

翻訳ものはあまり読まないんですね。
面白いのがたくさんあるのに~

「星の王子様」はフランス語をべ勉強してた当時(ものにならなかったけど)、テキストに使って読んでました(笑)

ナイス有難うございます~

No title

「嘆きの壁」、ジョイス研究者の大沢正佳氏が翻訳していました。

カットアップや言語実験が激しく、挫折…背景となる先住民の歴史の知識も必要だったかも…

思い出したが、思潮社のレリスは、80年代はエッセイの四冊目しか在庫がなく、「オーロラ」は品切れ(絶版だったかも?)で、随分古本屋を回って入手した覚えが…

Bittersweets/TCZについては、やはり
While rumors spread over the years that they were a California band or relocated there, the group was Phoenix-based from end to end.

youtube.com/watch?v=uZbINZDL7F4

No title

桜だ!桜だ!(人´∀`).☆.。.:*・゚
桜と富士山を見ると、幸せ感じますぅ
画像UPしてくれてありがとうございます♪

そのイラストを見るだけでも価値がありますよ。
延々眺めていたくなるな~♪

No title

weirdoさん、おお~大沢さんの訳ですか~!
それならぜひ挑戦してみたいですね。
ご存じかどうか、以前話題にしたF.オブライエンの「ドーキー古文書」も大沢さんの訳です。

80年代には古本屋さんで入手困難でしたか。
元々の刷り部数も少ないだろうし、持ってる人はボクみたいに読めないけどこの本を偏愛してる人が多く、売りに出さなかったのかもしれませんね。

そのUのバイオ記事、今朝見つけたので追加で貼っておきました↑。
ボクが見た中では、この投稿者の記載がイチバン充実してましたね。

No title

Irisさん、桜と富士、この2つはホントに生きてる幸せを感じますよね~ボクと一緒だ~

口絵、全部は載せなかったけど、錬金術関係の書物がまだ少ない当時だったので、飽かず眺めてましたよ(笑)

本文に使ってる図像はボクのバカチョンカメラではうまく写らないので、これもカット。
眺めてるだけでうっとりする本です。

ナイス有難うございます~

No title

もう桜が咲いてるなんて!
昨日から寒くて寒くて><南国でもうっすらと積雪しましたよ~
難しそうな本だけど挿絵がステキですね~
オズの魔法使いみたいな感じ??
ちなみにワタシが今読んでるのは「猫といっしょにいるだけで」
って本です。
ほんわかしてておすすめ~!

No title

プチマリーさん、河津桜と言って、こっちでは有名な早咲桜なんですよ。
伊豆が本場で、例年2月初旬から咲き始め、半ばごろに満開になって大勢の人が押しかけます。
ボクは行ったことがないので、今年は行こうかなと思ってるんです。
いつ頃からか、こっちでも自宅の庭に植える人が増えてきたんです。

この絵は錬金術の寓意画なので意味があるんです。
「オズの魔法使い」とは似て非なるものです(苦笑)

「猫と一緒にいるだけで」~タイトルがいいですね~ほんわか、ってのは分かる分かる~!

ナイス有難うございます~

No title

「本好きというのは~」というところ、本当にそうですね~。
でもこの本は、なんか興味をそそられます。
絵もおもしろいけれど、階段を下りる話だけで20ページって、それ聞いただけで笑っちゃいました。
しかも「口から肛門までの体内めぐり」!
っこみどころが満載ですね。
たぶん読みとおせないだろうけど、ちょっとのぞいてみたいです。

No title

Mymbleさん、興味をそそられたのは嬉しい限りです。
多分読める本じゃないけど、根気と格闘すれば何とかなるかもしれません。

プルーストなんて、眠りに落ちる数分間を延々60ページも書いてますよ(笑)
もっとも、こちらは意識の流れを書いているので読めるわけだけど。

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Author:showhanng55
マイナーな60年代ビートミュージックと駄洒落、読書レビュー。

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